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代表取締役が引っ越ししたら住所変更の登記が必要って本当?【商業登記の基礎知識】

2021.6.17 変更登記  

商業登記(以下単に、登記)の制度は、企業の経済活動のベースをつくっているわけですが、一般の人の感覚では疑問符(?)がつきそうなルールもあります。
その1つが、株式会社の代表取締役が自宅を引っ越したら、住所変更登記を行わなければならないルールです。

誰でも料金さえ支払えば入手できる登記事項証明書(登記簿謄本)にも代表取締役の住所が記載されるので、事実上、誰でもそれを知ることができてしまいます。
なぜこのような決まりがあるのでしょうか。

代表取締役の引っ越しで住所変更登記が必要になる理由を解説します。

信用が生まれ、取引が安全・円滑に進む

信用が生まれ、取引が安全・円滑に進む

登記とは、会社に対して、会社の情報を法務局に提供することを義務づけ、商業登記簿(以下、登記簿)にその情報を記載して公示する制度です。
登記制度があるからこそ、誰でも法務局にいって料金を支払えば、登記事項証明書を入手することができ、会社の情報を得ることができます。
そして登記には、国(法務局)がその会社の存在を証明する、という重要な意義があります。登記簿に載っていない組織や団体は、例え経済活動を行っている実態があっても、世間的にも法律的にも会社として認められません。

商業登記法は、登記の目的について次のように説明しています。

商業登記法第1条(一部抜粋)
商号、会社等に係る信用の維持を図り、かつ、取引の安全と円滑に資することを目的とする

登記されているからその会社は信用され、信用されているからその会社は取引を安全かつ円滑に行うことができるというわけです。

登記簿にはどのような情報が載っているのか

登記簿に記載されている情報のことを登記事項といい、その一部は次のとおりです。

  • 会社法人等番号
  • 商号(会社の名称)
  • 本店(本社などのこと)の住所
  • 公告する方法
  • 会社成立の年月日
  • 会社の目的
  • 発行可能株式数
  • 資本金の額
  • 取締役の氏名
  • 監査役の氏名
  • 代表取締役の氏名と住所
  • 取締役会設置会社かどうか
  • 監査役設置会社かどうか、など

取締役と監査役は氏名しか載りませんが、代表取締役は氏名に加えて住所も記載しなければなりません。
これらの情報は登記事項証明書にも記載されるので、誰でもかなり詳細に株式会社のことがわかります。

なぜ代表取締役の住所まで必要なのか

なぜ代表取締役の住所まで必要なのか

会社の情報が細かく登記簿に記載されていれば、確かに会社の信用度が高まり、その結果、取引の安全性と円滑さが保てそうです。
しかしその目的を達成するのに、代表取締役の住所の情報まで本当に必要なのでしょうか。

取締役や監査役は、記載されているのは氏名だけで、住所までは載せていません。代表取締役の情報も、素人考えからすると氏名だけで十分なようも気がします。登記簿に代表取締役の住所が載っていなかったとしても、登記制度の信用度が低下するとは思えません。

――というのが、一般の方の感覚ではないでしょうか。
代表取締役の住所が必要な理由を紹介します。

訴状の送付先として必要

代表取締役の住所を登記する理由は、取引を安定させること以外に、「訴状の送付先の明示」「登記懈怠が発生したときのペナルティの通知」の2つの理由があります。
1つずつみていきましょう。

訴訟(裁判)は、原告が裁判所に訴状を提出するところから始まります。裁判所が訴状を受理すると、裁判所はそれを相手方(被告)に郵送します。
会社が訴訟の当事者(被告)になったとき、訴状の送付先として代表取締役の住所にすることができます。したがって代表取締役の住所は、公的に知られていなければなりません。しかも現住所が必要になるので、代表取締役が引っ越すたびに、住所変更登記が必要になるわけです。

代表取締役は会社の運営に大きな責任を負っているので、会社が訴訟問題を抱えることになったら矢面(やおもて)に立つことになります。
住所を公にすることも責任を果たすことの1つになっています。

ペナルティの通知先として必要

登記懈怠(けたい)は登記制度の専門用語で、変更登記を行わなければならないのにそれを怠ることをいいます。
登記懈怠には罰則が科せられていて、100万円以下の過料に処される可能性があります。
法務局は、このペナルティの通知を代表取締役に対して行います。通知先は、代表取締役の住所です。

このように法律的かつ行政的な実務面からも、代表取締役の住所は重要な情報になっています。

住所変更登記はかなり簡単「ぜひ自社で挑戦してみて」

住所変更登記はかなり簡単「ぜひ自社で挑戦してみて」

代表取締役の住所変更登記は、ぜひ自社で挑戦してみてください。
もちろん、司法書士事務所に依頼すれば完璧に手続きしてもらえますが、社長や総務担当者でも申請することができます。
しかも、代表取締役の住所変更登記は、さまざまな登記申請のなかでも簡単な部類に入ります。
代表取締役の住所変更登記の申請方法を紹介します。

引っ越してから2週間以内に登記しないとペナルティも

代表取締役が引っ越しをしたら、2週間以内に住所変更登記を行ってください。
期間をすぎると登記懈怠とみなされ、代表取締役が過料のペナルティを受ける可能性があります。

必要な書類は実質的に申請書のみ

住所変更登記で必要になる書類は以下のとおりです。

申請書
正式名称は「1-5 株式会社変更登記申請書(役員変更、住所移転)」といい、法務局の以下のサイトからダウンロードできます。

http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1-2

収入印紙貼付台紙
収入印紙を貼りつける台紙です。上記の申請書と一緒にダウンロードできます。

書類はこれだけです。実質的に申請書だけで手続きが終わります。新しい住所の住民票も、印鑑証明書も不要です。

申請は法務局に持参するか郵送、またはオンラインで

書類が用意できたら、法務局に出向いて提出するだけです。
書類を郵送することもでき、その場合は法務局に行く必要はありません。
さらに、オンラインでも受け付けています。

1週間で登記簿に反映される

書類に不備がなければ、新住所は1週間程度で登記簿に反映されます。
これで住所変更登記は完了です。

スタビジ登記が総務担当者をサポート

スタビジ登記が総務担当者をサポート

申請が簡単でも、代表取締役の住所変更登記はとても重要な手続きです。
そこで自社で代表取締役の住所変更登記に挑戦する場合は、スタビジ登記の利用をおすすめします。

スタビジ登記を使えば、最短15分で必要な書類を正しくつくることができます。
総務担当者をしっかりサポートします。

スタビジ登記には次のような特長があります。

  • 司法書士が監修している
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  • 費用は税込 10,000円
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住所変更登記でスタビジ登記を使い慣れておけば、他の、より複雑な登記手続きでもスイスイ処理していくことできるようになるはずです。
社内の法務スキルが上がるでしょう。

さいごに~知らないでは済まされない

さいごに~知らないでは済まされない

「社長が引っ越しただけで登記が必要になるなんて知らなかった」では済まされません。
登記は経済活動の根幹をなす制度であり、そのなかで代表取締役の住所変更登記が義務化されています。罰則があることからも、代表取締役の住所がどれだけ重要な情報と考えられているかがわかると思います。
ただ、手続き自体はシンプルなので、社内の総務担当者でも簡単に行うことができます。ぜひスタビジ登記を利用して、登記に挑戦してみてください。

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※登記申請には書類作成の方法や手段に関わらず、別途登録免許税が必要です。(弊社で発生する料金ではございません)

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