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第三者割当増資をしたときの登記を解説~手続き、書類、費用を解説

2021.8.04 変更登記  

会社の資金調達方法の1つに、増資があります。
この記事では、増資のうち第三者割当増資について解説します。
第三者割当増資の手続きと登記の方法、登記に必要な書類、費用などを解説します。

この記事では非上場企業を想定しています。

増資と融資の違い

増資と融資の違い

増資も融資も、人からお金を受け取って、それを事業に使う点は同じです。
また、ビジネスでは、人からお金を受け取ったら必ずその額より多いお金を戻す必要がありますが、それも共通しています。
しかし増資と融資には次のような違いがあります。

  • 増資の特徴
    • 投資してもらう
    • 返済は必要ないがリターンが期待される
    • 株主の力が強まり、経営への発言力が増す
  • 融資
    • 借金をする
    • 利子を上乗せして返済しなければならない
    • 株主の力には影響を与えないが、融資をした金融機関の経営への発言力は増す
第三者割当は増資の一種

第三者割当は増資の一種

第三者割当増資は、増資の一種です。
株式会社の増資では、株式を新たに発行して(新株を発行して)、それを誰かに引き受けてもらいます。会社は、投資家に新株を買ってもらうことで、お金を受け取ることができます。
増資目的で新株を発行することを、募集株式の発行ということがあります。

第三者割当増資とその他の2種類の増資を比べてみます。

第三者割当増資
第三者に新株を引き受けてもらう(買ってもらう)。既存の株主も、これまで株主になったことがない人や会社も新株を引き受けることができる。既存の株主が新株を引き受けないと持分比率が下がり、会社への発言力が弱まってしまう。

株主割当増資
既存の株主に新株を引き受けてもらう。現行の持分比率に応じて投資額(購入額)を調整すれば、持分比率は変わらないので、会社への発言力の比率も変わらない。

公募増資
第三者割当増資のうち、新株の購入者を公募すること。不特定多数の人や会社に新株を引き受けてもらえるが、会社に知名度がないと引き受け手探しに難航することも。

第三者割当増資をするときの手続き

第三者割当増資をするときの手続き

第三者割当増資とその登記は、別個の法律行為と考えてください。
第三者割当増資の目的は資金調達であり、登記という手続きとは関係なく行います。
ただ、第三者割当増資をしたら登記をしなければならない、というわけです。

まずは、第三者割当増資のやり方を解説します。

調達金額から発行株価を決める

第三者割当増資でいくら調達するか決めるには、新株の発行株価を決める必要があります。調達する資金の総額は「発行株価(単価)×株式数」で算出するからです。
発行株価を決める方法には次の方法があります。

  • 簿価純資産法:発行株価=簿価純資産額÷発行済株式総数
  • 時価純資産法:発行株価=直純資産額÷発行済株式総数
  • 収益還元法:発行株価=(将来の1年純利益÷資本還元率)÷発行済株式総数
  • DCF法:発行株価=(将来の年度別収益を現在価値に割り引いた額)÷発行済株式総数

上場企業の株価は市場が決めますが、非上場企業の発行株価は経営者たちが決めなければなりません。
上記の方法のうちどれを採用してもよいのですが、会社も株主(第三者割当増資を引き受ける人)も納得できる、実態に則した発行株価にしなければなりません。

取締役会と株主総会での決議と募集

株主総会で次の事項を決議します。取締役会がある会社は、取締役会でも以下の決議が必要です。

  • 新株の発行株価
  • 新株の発行株式数
  • 払い込み期日

決議が済めば、投資してくれる(新株を購入してくれる)第三者を募集することができます。

引き受ける人の申し込みと割当の決議

第三者割当増資では、新株の引き受け手が「大体決まっている」ことが多いでしょう。実際は、新株を引き受ける人や会社は、新株発行会社と協議したうえで、新株購入を申し込みます。 誰に何株割り当てるかが決まったら、取締役会または株主総会で「割当決議」をします。
これで新株を買ってもらう手続きが整います。

出資を履行して権利行使へ

割当決議が済んだら、新株の引き受け手に払い込み期日までに代金(出資金)を支払ってもらいます。これを出資の履行といいます。
これで新株の引き受け手は株主としての権利を行使できるようになります。

次に登記をします。

第三者割当増資の登記

第三者割当増資の登記

出資金(新株の代金)が払い込まれた時点で、第三者割当増資が完了します。
その日から2週間以内に株式会社変更登記をしなければなりません。2週間を過ぎると過料に処させることがあります。
登記は法務局で行います。

登記に必要な書類

第三者割当増資による株式会社変更登記では、次の書類が必要になります。

  • 株式会社変更登記申請書(募集株式発行)
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 募集株式の引受けの申込みを証する書面、または総数引受契約書
  • 払込みがあったことを証する書面
  • 資本金の額の計上に関する証明書
  • 取締役会議事録(取締役会設置会社のみ)

株式会社変更登記申請書(募集株式発行)は法務局のサイトの以下のURLからダウンロードできます。

http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html

登記の費用(登録免許税の額)

第三者割当増資の登記では、手数料のようなお金として、法務局に登録免許税を納付します。
登録免許税の額は次のとおりです。

  • 資本金の額の増加分に1,000分の7を乗じた額(100円未満切り捨て)
  • 上記の額が30,000円に満たない場合は30,000円

司法書士事務所に登記の手続きの代行を依頼すると、これとは別に手数料を支払うことになります。

中小企業やベンチャーなら自力で登記をしてみては

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登記の手続きは司法書士事務所に依頼することが多いと思いますが、もちろん自社で行うこともできます。
自社で登記をすれば、司法書士事務所に支払う手数料を節約できますし、重要な法律行為のスキルを社内に蓄積することもできます。

経営者にとって増資は、さらに大きな責任を負うことに他なりません。
既存の株主に新株を引き受けてもらうのであれば、さらにお世話になることになります。
新しい人に新株を引き受けてもらうのであれば、さらにお世話になる人が増えることになります。

第三者割当増資を含む増資は、経営者にとっては社運をかけた挑戦になるはずですので、その登記も自分たちの手で手掛けることは意義あることといえるでしょう。

必要書類はスタビジ登記でつくろう

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さいごに~返済より厳しいと覚悟して

さいごに~返済より厳しいと覚悟して

第三者割当増資を解説した記事のなかには、増資のメリットとして「増資は借金ではないので返済しなくてよい」ことを挙げているものもありますが、確かにそのとおりなのですが注意しなければならないことがあります。
それは、新株を発行して得たお金で事業を拡大して利益を増やし、新株の引き受け手(株主)に投資額以上のリターンをしなければならない、ということです。
返済が要らないことは決して楽なことではなく、むしろ厳しい責任を負うことと覚悟しなければなりません。

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