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こうすれば社長1人だけで会社を設立できる:つくり方とメリットとデメリットを解説

2021.7.19 会社設立  

一般的なイメージでは、会社は複数人でつくります。会社の設立時から複数の出資者がいて、複数人による経営陣という形態が通常だと想像されます。
しかし、社長1人だけで会社を設立することもでき、現在はそのような会社が多く設立されています。
この記事では、1人会社の設立方法を解説します。

ただ、1人会社で、1人で経営と事業を切り盛りするのであれば、個人事業主から法人成りする意味はあるのでしょうか。
そこで1人会社を設立するメリットとデメリットも確認します。

1人会社の設立に必要な手続き

1人会社の設立に必要な手続き

社長しかいない1人会社の形態は、株式会社、合名会社、合同会社となり、合資会社は1人では設立できません。
以下、「会社」とは株式会社、合名会社、合同会社のことを指します。
1人会社の設立に必要な手続きを紹介します。

2006年から1人会社が可能に、資本金1円もOK

かつては、1人会社を設立することはできませんでした。2006年に会社法が改正され、会社役員の人数規制が撤廃され1人会社が可能になりました。
このとき同時に最低資本金の規制も撤廃され、資本金1円でも会社を設立できるようになりました。

3つのステップで手続きする

1人会社の設立は大きく、1)定款などを準備する、2)法務局で会社設立登記を行う、3)各種手続きを行う、の3ステップで進みます。

ステップ1:定款などを準備する

会社の基本ルールのことを定款といい、ここに目的(事業内容)、商号(社名)、本店所在地(本社の住所)、資本金、発起人の氏名と住所などを記載します。
発起人は、1人会社の場合は会社を設立したときの社長(代表取締役)になります。

定款は公証役場で公証人から認証を受ける必要があります。認証を受けて初めて、その定款は登記に使用できるものになります。

商号が決まったら、会社の印鑑を作成します。会社の印鑑はさまざまな手続きで必要になるので早めに手配してください。

資本金は必ず「払い込む」必要があります。発起人(社長)が自分名義の銀行口座に、自分名義で資本金と同じ額のお金を振り込みます。これで資本金の払い込みを証明する書面を用意することができます。

ステップ2:法務局で会社設立登記を行う

準備が整ったら、法務局内の登記所で会社設立登記の申請を行います。
必要書類は次のとおりです。

  • 会社設立登記申請書
  • 定款
  • 発起人の同意書
  • 設立時代表取締役を選定したことを証する書面
  • 印鑑証明書
  • 資本金の払い込みを証明する書面
  • 資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
  • 収入印紙貼付台紙

これらの書類を登記所に提出する「だけ」です。書類の内容に問題がなければ、法的に会社ができます。

ステップ3:各種手続きを行う

会社設立登記が終われば「法的」に1人会社ができあがりますが、「ビジネス的」にはまだまだ手続きが必要です。
必要な手続きと、手続きをする役所は次のとおりです。

  • 税務署で法人設立届や青色申告承認申請などを行う
  • 都道府県税事務所と市区町村役場で法人設立届を行う
  • 年金事務所で社会保険の手続きを行う

行政機関以外では次のような手続きがあります。

  • 金融機関での手続き
  • 取引先へのあいさつ
  • 会社の封筒や名刺の発注
  • ホームページの制作
  • 事務所の賃貸契約
  • 事務所の水道光熱の契約など
会社設立のコスト

会社設立のコスト

会社設立の費用の種類は、細かいものを挙げるといくらでもありますが、ここでは手続きのときに最低限必要になるものだけを紹介します。

登録免許税
登録免許税は、会社設立登記をするときに支払います。税額は、株式会社の場合、資本金の1,000分の7で、最低額は150,000円です。

定款の認証の手数料
公証役場で定款の認証を受けるとき、手数料50,000円程度がかかります。さらに謄本を作成する費用が約2,000円かかります。
この他、印紙代40,000円がかかりますが、電子定款にすればこれは不要です。

司法書士事務所に支払う手数料
会社設立登記を司法書士に任せると、司法書士事務所に手数料を支払わなければなりません。金額は事務所ごとに自由に決めることができますが、「10万円±数万円」と覚えておいてください。
ただこのお金は、社長が自ら会社設立の手続きを行えば浮かすことができます。経費を削減したい1人会社の社長は、ぜひ自分で手続きに挑戦してみてください。

メリット:信用度が増すだけではない

メリット:信用度が増すだけではない

個人事業主が1人会社をつくる最大のメリットは、信用度が増すことです。
それ以外のメリットを紹介します。

小さく生んで大きく育てることができる
ビジネスの基本は小さく生んで大きく育てることです。最初から大きく生んでしまうと、小回りがきかなかったり、冒険ができなかったりします。1人会社は、小さく生む形態であり、ビジネスの基本にマッチします。

個人事業主より効率的に稼げる
効率的に稼ぐには事業を大きくする必要がありますが、1人会社は個人事業主より信用度が高いので、事業を大きくしやすくなります。資金調達も、個人事業主時代より容易になるはずです。大きな投資が可能になり、さらに事業を拡大できます。

有限責任になる、資本金の範囲内で責任を負うだけでよい
会社の社長は、会社の債務に対して有限責任になります。債務の責任に対して「限りが有る」とは、資本金の範囲内で責任を負うだけという意味です。資本金10万円会社なら、10万円以上の責任は負わずに済みます。
ただ、事業内容が悪質な場合、訴訟を起こされる可能性があり、そこでは別の責任が発生します。
個人事業主は無限責任で、すべての債務は個人の債務になり、すべて返済しなければなりません。

報酬を自由に決めることができる
1人会社は社長(自分)の報酬を自分で決めることができます。複数人で会社を設立すると、社長の報酬は株主総会で決めなければなりません。

節税効果、赤字の繰越期間が10年になる
事業が大きくなれば経費もかさみます。会社にしたほうが、個人事業主でいるより経費として認められる範囲が広くなるので、節税につながります。
売上高や利益が一定金額を超えると、個人事業主の所得税より、法人税のほうが安くなります。
赤字が出たら、その赤字を翌年以降に繰り越すことができ節税につながるのは1人会社も個人事業主も同じですが、繰越期間が異なります。
赤字の繰越期間は、1人会社を含む法人は10年ですが、個人事業主は3年しかありません。1人会社のほうが節税効果を長く得ることができます。

デメリット:コストが増すだけではない

デメリット:コストが増すだけではない

個人事業主が1人会社をつくる最大のデメリットは、コストがかかることです。コストを上回る利益が見込めなければ、個人事業主のままでいたほうが無難です。
それ以外のデメリットを紹介します。

全部1人でやらないとならない
当然ですが、1人会社は社長が社員ですのですべて1人でやらなければなりません。本業のほかに、次から次へと湧いてくる雑務や事務処理をこなしていかなければなりません。
また、モチベーションが維持しにくいこと欠点もあります。「社員のために頑張ろう」という気持ちが起きません。経営はさまざまな困難に立ち向かうことになりますが、1人会社には励ましてくれたり知恵を貸してくれたり手伝ってくれたりする人がいません。

結局は事業が大きくなれば複数人の会社になる
1人会社の事業が軌道にのってくると、さすがに社長1人では手が回らなくなるでしょう。そうなると人を雇ったり、経営パートナーを迎えたりしなければならなくなります。
人を雇うと雇用保険などの新しい手続きが必要になります。経営パートナーを役員にするには役員変更登記をしなければなりません。
もし、会社を設立してすぐに人を雇ったり役員を加えたりする予定があるのであれば、その人たちと一緒に会社をつくったほうが断然よいでしょう。設立時メンバーは結束が固くなります。

税務が複雑になる
個人事業主が1人会社を設立してぶつかる大きな壁の1つに、税務の複雑化があります。
個人事業主のときにすでに青色申告の決算書作成と確定申告で難航している人は、覚悟が必要になります。総勘定元帳、決算書、領収書つづりが複雑化して、さらに法人税や消費税の申告が必要になるからです。
これらを税理士事務所に依頼することもできますが、それならば経理担当者を1人雇ったほうがコスパはよいかもしれません。

協会けんぽと厚生年金の加入が義務づけられる
1人会社の社長は、協会けんぽと厚生年金の加入が義務づけられています。個人事業主の国民健康保険と国民年金より毎月の支払いが増えるはずです。
ただ、厚生年金については将来の年金額が、国民年金だけより増えるので、将来の安心にはつながります。

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さいごに~自分の性質に合った会社設立を

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個人事業主の事業が拡大したら、会社の設立を考えましょう。そのほうが効率的に利益をあげることができますし、取引先や関係者も安心できます。
そのとき1人会社にするか、複数人で会社をつくるかで迷うと思いますが、判断基準は「一匹オオカミでいたい度」になるでしょう。
1人で自由きままに会社を運営してみたいのであれば、1人会社が適しています。
仲間と一緒に会社を大きくしたいと思っているのであれば、その仲間と会社をつくったほうがよいでしょう。
会社経営や事業運営は社長の人生を反映するので、自身に向いてるほうを選んでみてください。

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