株式会社を設立する手続きは難しくない「自分で申請する方法とメリット」
株式会社を設立する手続きは、決して簡単なことではありません。さまざまな準備をして、さまざまな書類をつくり、さまざまな役所に足を運ばなければなりません。
しかし、難しいということはないでしょう。
株式会社を設立することより、株式会社を運営することのほうがはるかに難しいからです。株式会社で事業を大きくしていこうという人なら、株式会社設立の手続きは難なく行えるはずです。経営者自らが、司法書士事務所などの手を借りずに、株式会社設立の手続きをすることは決して珍しくありません。
株式会社の設立に必要なすべての手続きを紹介します。
手続きは大きく5つ
株式会社設立に必要な事務作業量はかなりのボリュームになるので、次の5つにわけて紹介します。実際の作業でも、この5つにわけて片づけていくと効率よく進められるでしょう。
- 1:基本的なことを決める
- 2:定款をつくる
- 3:資本金を払い込む
- 4:設立登記
- 5:その他の行政機関への手続き
1:基本的なことを決める
株式会社設立の基本的なことは、次のことになります。
商号(社名)を決める
法律上は、社名のことを商号といいます。株式会社の商号は、「株式会社○○」とするか「○○株式会社」とします。
商号のつけ方のルールは規制が緩和され、今では同一市区町村内にすでに同じ商号が存在してもつけることができます。
ただ、同じ住所に会社がある場合は、その会社と同じ商号をつけることはできません。例えば、マンションの一室にA株式会社という会社があった場合、新しい会社の本店(本社のこと)をそのマンションに置いたら、A株式会社とつけることはできません。
ただ、同じ名前や類似した名前はつけないほうがよいでしょう。消費者や取引先が混乱しますし、将来的にブランド構築がしづらくなります。
また、著明な企業の商号をつけることはできません。
目的(事業内容)を決める
商業登記では事業内容のことを目的といいます。株式会社を設立する以上、すでに事業は決まっていると思いますが、設立登記をするときは将来行う事業も目的欄に書くことができます。また、自社の事業を短い言葉で言い表せるようにしておきましょう。
代表者印をつくる
代表者印という印鑑をつくります。これが株式会社の実印になります。これは会社の設立登記するときに必要になるので早めにつくっておいてください。
役員を決めて役員報酬を決める
取締役、代表取締役、会計参与、監査役などを決めます。これらを役員といいます。
役員報酬は、多すぎると資金繰りに困ることになりますし、少なすぎると会社の利益が大きくなって税金の額が高くなってしまいます。
適切な額に設定しましょう。
資本金の額を決める
資本金は1円でも構いませんが、それでは会社としての信用は得られないでしょう。
しかし、これから会社をつくる人が、多額の資本金を用意することは簡単なことではありません。
一応の目安は、3~6カ月純利益なしでも会社を存続できる額となります。
また、資本金が1,000万円を超えると、会社設立初年度から消費税が課されます。
これらは株式会社設立のために必要な基本的なものばかりで、事業やビジネスについては含まれていません。それでもこれだけやることがあります。
2:定款をつくる
定款は会社の憲法といわれるくらい、重要な文書です。
定款には必ず以下の6項目を記載します。これを絶対的記載事項といい、これが載っていないと法的に無効になってしまいます。
- 商号(社名)
- 本店所在地(本社の住所)
- 目的(事業内容)
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名または名称および住所
- 発行可能株式総数
発起人は、資本金を出して株式会社の設立の手続きをする人なので、株式会社が設立されたときの代表取締役やその他の役員である必要はありませんが、もちろん兼務することもできます。
定款を作成したら、公証役場という行政機関で「定款認証」を受けます。
定款認証を受けることで、法的に正しい内容の定款であることが認められます。
3:資本金を払い込む
資本金は必ず「払い込む」必要があります。つまり、「資本金に相当する現金がここにある」と主張するだけでは資本金としてみなされません。
そのため、発起人が、自分名義の銀行口座に、自分名義で資本金の額のお金を振り込まなければなりません。
振り込んだら「払込証明書」を作成します。この払込証明書に、銀行の通帳の表紙、1ページ目、振り込みをしたページのコピーを添付すれば、払い込んだことが証明されます。
そして株式会社が設立されたら、株式会社(法人)名義の銀行口座をつくり、資本金の額を、発起人名義の銀行口座から株式会社名義の銀行口座に移します。
4:設立登記
上記の1~3が完了したら株式会社の設立登記をすることができます。
登記とは、登記所が管理する商業登記簿に、株式会社の情報を記載することです。これにより法的に会社が存在することになります。
株式会社設立の登記は、以下の書類を登記所に提出して行います。
- 株式会社設立登記申請書
- 定款
- 発起人の同意書
- 設立時代表取締役を選定したことを証する書面
- 設立時取締役、設立時代表取締役および設立時監査役の就任承諾書
- 印鑑証明書
- 設立時取締役、設立時監査役の本人確認証明書
- 設立時取締役および設立時監査役の調査報告書およびその付属書類
- 資本金の払い込みを証明する書面
- 資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
- 収入印紙貼付台紙
上記のほか、印鑑を届出る場合は、後述するとおり印鑑届書を提出する必要があります。
司法書士事務所などに手続きを依頼するときは、その他に委任状が必要になります。
設立登記をするには、登録免許税を支払わなければなりません。その額は次のとおりです。
株式会社設立登記の登録免許税
- 資本金の1,000分の7の額
- 1,000分の7の額が150,000円に満たない場合は150,000円
- 100円未満の端数は切り捨て
登録免許税は、同額の収入印紙を購入して収入印紙貼付台紙に貼りつけて納付します。
司法書士事務所に登記申請を依頼すると、登録免許税の他に司法書士事務所に支払う手数料がかかります。
印鑑証明書と登記事項証明書を入手しておく
株式会社を設立すると、さまざまなシーンで印鑑証明書と登記事項証明書(かつての登記簿謄本)を求められます。
設立登記が済んだら早めに、この2つの書類を法務局で入手しておいてください。
登記事項証明書は法務局の窓口で申請するだけですが、印鑑証明書は「ひと手間」かかるので入手する手順を紹介します。
<印鑑証明書の入手方法>
- 印鑑届書を提出して、代表者印を登録する
- 印鑑カードをつくる
- 印鑑カードで印鑑証明書を入手する
5:その他の行政機関への手続き
設立登記が済んだら株式会社が法的に設立したことになりますが、手続きはまだあります。
以下の行政機関で次の手続きを行ってください。
- 税務署で法人設立届や青色申告承認申請などを行う
- 都道府県税事務所と市区町村役場で法人設立届を行う
- 年金事務所、労働基準監督署、ハローワークで社会保険の手続きを行う
行政機関以外では、銀行や郵便局などで手続きする必要があります。
また、取引先へのあいさつや、会社の封筒や名刺をつくる業者への発注、ホームページの制作、税理士事務所との契約、事務所の賃貸契約、事務所の水道光熱の契約など、手続きは「山ほど」あります。
登記に必要書類はスタビジ登記でつくろう
株式会社設立の登記は司法書士事務所などに依頼することが多いと思いますが、会社を設立する人が自ら行えば、司法書士事務所などに支払う手数料を節約できます。
しかも創業者自身が登記をすれば「自分で会社をつくった」という気持ちがより強まるでしょう。
ただ、登記は重要な法律手続きであり、正確な書類づくりが求められるので、自分で登記を行う場合は、スタビジ登記を利用することをおすすめします。
スタビジ登記を使えば、最短15分で必要な書類を正しくつくることができます。
総務担当者をしっかりサポートします。
スタビジ登記には次のような特長があります。
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さいごに~手続きに慣れよう
株式会社を設立する手続きは大変ですが、事業が軌道にのればこれからまだまだ手続きが増えます。特に行政関連では、補助金を受給するときも、自治体の公共事業を受注するときも、山のように書類をつくって何回も役所に足を運んで手続きする必要があります。
株式会社を設立する時期は、経営者は忙しく走り回っていると思いますが、それでもなんとか時間をつくって自ら登記などをすれば、法務力が身につきます。
もしくは、会社が立ちあがり、手続き関係を任せることができる人がすでにそばにいるなら、その人に手続きを任せてもよいでしょう。
スタビジ登記を使えば、少なくとも登記申請の手続き業務はだいぶ軽減されるので、自分たちで完遂できるはずです。
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