本店移転と代表取締役の住所変更は一緒に登記しよう【必要書類のつくり方】
会社が本店を移転させたら、法務局で本店移転登記をしなければなりません。
本店とは登記制度の専門用語で、本社を本店にしているところが多いのではないでしょうか。本社を動かしたら登記が必要です。
代表取締役が引っ越しをしたら、やはり法務局で住所変更登記をしなければなりません。
役員のなかで代表取締役だけは住所を登記しなければならないからです。
もし、本店移転と代表取締役の引っ越しが大体同じ時期に起きたら、一緒に登記してしまいましょう。事務作業の生産性が上がるからです。
この記事では、同時登記の注意点と、同時登記に必要になる書類などを解説します。
「大体同じ時期=2週間以内」に注意して
同時登記をおすすめするのは、2度の登記手続きを1度にまとめたほうが、会社の総務担当者や法務担当者の手間が省けるからです。
しかしこのとき2週間以内ルールに注意してください。
本店移転登記も代表取締役の住所変更登記も、事象の発生から2週間以内に行なわなければなりません。
そのため、本店移転と代表取締役の引っ越しが2週間超離れていたら同時登記はできません。
2週間以内ルールを破ると、過料に処されることがあります。
代表取締役の引っ越し日は調整できるはず「メリットを考えて」
本店移転日と代表取締役の引っ越し日が離れていても、同時登記をあきらめる必要はありません。
なぜなら、代表取締役の引っ越し日は、代表取締役の気持ち次第でいくらでも調整できるからです。
本店の移転日を変更することは難しいでしょう。会社の引っ越しは、株主総会や取締役会の了承を得る必要がありますし、物の移動以外にも膨大な作業がありますし、社員たちの移動も大変です。取引先や顧客への連絡も必要になるので、一度決めた日をずらすことは得策ではありません。
しかし代表取締役の引っ越しは、個人または一家族の引っ越しなので日にちを変更することは容易いはずです。
そして、本店と代表取締役の引っ越し日を近づけると、次のようなよいこともあります。
- 2つの登記を同時に行うことができる
- 引っ越し料金を節約できるかもしれない
同時登記をすることで、事前準備の回数も法務局に行く回数も1回で済ますことができます。実務経験が長い人なら、このメリットがどれだけ大きいかわかるはずです。
本店と代表取締役の引っ越し日を近づけると引っ越し料金を節約できるのは、引っ越し業者に交渉できるからです。
引っ越し料金は定額がなく流動的なので、値下げを要請することができます。「2件の引っ越しを依頼するから割り引いて」と依頼することはまったく問題がありません。
もちろん、請求書は会社宛と代表取締役個人宛で別々に作成してもらい、双方が別々に支払わなければなりませんが、引っ越し業者からすると、金額が同じなら、2つの銀行口座から入金されるのも1つの銀行口座から入金されるのも変わりありません。
閑散期なら、2件の引っ越しを発注してくれるなら「お勉強」してくれる引っ越し業者はあるはずです。
総務部長が代表取締役に引っ越し日の変更を打診するのもあり
もし代表取締役が、本店移転日と自分の引っ越し日に注意を払っていなければ、会社の総務部長が、代表取締役に引っ越し日の変更を打診してもよいでしょう。
もし、代表取締役が、自分の引っ越し日にこだわりがなければ、メリットの大きさを考慮して引っ越し日をずらしてくれるかもしれません。
仮に代表取締役が自分の引っ越し日に強いこだわりがあれば、その打診を断るだけです。
必要な書類
登記に必要な書類を紹介します。
- 本店移転登記に必要となる主な書類
- 本店移転登記申請書
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 取締役会議事録
- 取締役の決定書
- 印鑑届書と印鑑カード交付申請書
本店移転登記申請書は、法務局の公式サイトの下記のURLからダウンロードできます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#1-13
本店移転は定款の変更を伴うことがあり、その場合には株主総会の特別決議が必要になるので、そのときの議事録が必要になります。
また、取締役会を設置している会社は、取締役会でも移転先と移転日を決議しなければならないので、やはり議事録が必要です。
なお、本店の移転先が別の法務局の管轄内の場合は、移転前の法務局と移転先の法務局の2カ所に申請しなければなりません。ただ、実際の手続きは、2つの申請は両方とも移転前の法務局で行なえます。移転前の法務局が、関係書類を移転後の法務局に送ってくれるからです。
- 代表取締役の住所変更登記に必要な書類
- 変更登記申請書(役員変更、住所移転)
変更登記申請書(役員変更、住所移転)は、以下のURLからダウンロードできます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#anchor1-2
代表取締役の住所変更登記では、新しい住民票などは必要ありません。もちろん、株主総会や取締役会に諮る必要もないので、それらの議事録も要りません。
登録免許税は別途必要
登記申請を行うとき、手数料のような形で、法務局に対して登録免許税を納付しなければなりません。その額は以下のとおりです。
- 本店移転登記の登録免許税の額:30,000円または60,000円
- 代表取締役の住所変更登記の登録免許税の額:10,000円または30,000円
これらは同時に登記の手続きをしても、別々に必要です。
本店移転登記の登録免許税は、移転後も法務局の管轄内を出なければ30,000円ですが、別の法務局の管轄内に移転する場合は60,000円になります。
代表取締役の住所変更登記の登録免許税は、資本金1億円以下の会社は10,000円で、1億円超は30,000円です。
司法書士事務所に手続きの代行を依頼する場合、登録免許税とは別に手数料が発生します。
事務コストを削減するなら自社で登記しよう
せっかく本店移転登記と代表取締役の住所変更登記を同時に行うのであれば、事務コストも削減しませんか。
登記の手続きは司法書士事務所に依頼するという「常識」を見直して、自社でやってみてはいかがでしょうか。
設立したばかりの会社で、規模がまだ小さければ、経営者(代表取締役)自身が登記に挑戦してみてもよいでしょう。司法書士事務所に支払う手数料を節約できるだけでなく、法務スキルを高めることができます。
もちろん、総務部長や総務担当者がいる会社は、その人たちに頼んでもよいでしょう。それでも会社に法務の知見を蓄積することができます。
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さいごに~これこそ生産性を高める工夫
2つの登記手続きを1回にまとめることは、事務作業の生産性を高めることにつながります。
経営者にとって生産性の向上は永遠のテーマのはずです。自身の引っ越しを本店の移転日に近づけるだけで登記作業が半分になるので、これは絶好の率先垂範(人の先頭に立って物事を行い模範となること)になるでしょう。
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